FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

戸籍・4

 過去帳とは故人の戒名(法号・法名)・俗名・死亡年月日(命日)・享年(行年)などが書かれている帳簿である。表紙の素材は布(金襴・緞子)や唐木(黒檀・紫檀)など、紙の素材は和紙(多くは鳥の子紙)や洋紙が用いられる。形状は折本と和本(和綴じ)にわけられる。寺院の過去帳は和本形式が多い。
 過去帳には「日付入り」と「日付無し」のものがある。「日付入り」のものは1日から31日(旧暦使用時代は30日)までの日付が入っており、亡くなった日の欄に記入する。日めくりして、故人の月命日(祥月命日)を確認し、追善供養や謝恩をする。「日付無し」は死亡順に記入していく年表式のもので、記録簿の意味あいが強い。寺院ではこちらが用いられる場合が多い。
 寺院の過去帳には所属していた故人が記される。各家の累代の個人情報が記録され、寺院によっては死因・身分・生前の事跡などが詳細に記述されている。そのため興信所の職員が近親者を装って過去帳を閲覧し、身元調査をする事件が何度も発生した。三島由紀夫の先祖調査に利用されたことも有名である。現在では個人情報保護の観点から閲覧禁止にする寺院が多い。近年、差別戒名記載に関して各宗派で調査され、差別的記述の削除改訂・過去帳新調などの対応がとられている。
 在家の過去帳にはその家に有縁の故人が記される。仏壇の見台に乗せるか引き出しにしまっておき、月命日に取り出して開く。多くは折本形式が用いられるため、過去帖とも書く。過去帳は永続的に残されるものなので、続柄を記しておけば家の系譜になる。
 位牌や法名軸にも同様の記載がされるが、位牌は数が増えると仏壇内に置ききれなくなる上、経年劣化により煤けたり文字が漆ごと剥げ落ちたりして判読不能になる場合も多い。ある程度の年忌(33回忌・50回忌など)を機に檀那寺の住職に過去帳へ写してもらい、位牌は寺に返す。返すのが難しい場合は過去帳に転写だけしてもらい、位牌は老朽化する前に修復する。
 浄土真宗の場合、厳密には過去帳は略式であり、平時は法名軸だけを仏壇内側側面に掛けておき、過去帳は仏壇の引き出しに収めておく。しかし命日の確認に便利なので、見台にのせて仏壇内に収めることもある。仏壇が小型で法名軸を掛けられない場合は過去帳で代用する。
 文政8年(1825)に長州藩で戸籍法が施行された。近代戸籍法の原点とも言われている。明治元年(1868)10月に長州藩のものを参考に京都府でも戸籍仕法が制定された。明治2年(1869)には各府県に京都府戸籍仕法が頒布され、戸籍編成の参考にされた。

テーマ : 日本文化 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) URL



プロフィール

asagiri

Author:asagiri
日本人の名前のルーツを探ることで日本の歴史を違う角度から見ることができます。家系図づくりをしている人・一族のルーツの探し方がわからない人・祖先の古いお墓がある人はもちろん、自分の名字・姓・氏の由来を知りたい人、家紋や戸籍謄本(除籍謄本)に興味がある人、先祖が武士か農民か知りたい人、珍名・奇名など珍しい苗字を探している人、明治時代好きの人も読んでみてくださいね。家族や親戚との話のネタにもなります。他人の名字でも起源を調べると面白いことがたくさん出てきますよ。調べ尽くしたら苗字研究家に転職できるかも? 苗字の歴史って楽しいです。異説・新情報がありましたら教えてください。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。